こんにちは、ポン太です。
ここまでの記事で、公務員試験の大まかな制度や、大まかな流れを経験に沿ってお話してきました。
ただ、皆さんの聞きたいところは、勉強(方)法が一番だと思います。
私もそうでした。省庁の説明会で仕事の内容を聞いても、結局試験のことで頭がいっぱいでしたし、当然試験対策を各省庁、自治体がしてくれるわけもありません。
誰か教えてくれー!と。
なので、各科目の勉強法等は少しずつお話していきたいと思うのですが、その前に一つ、前提として説明しておきたいのが、勉強する科目の選択についてです。
試験によって科目(特に専門科目)が変わることがあるのが公務員試験の併願の厳しさです。
仕事内容で魅力を感じていても、受験科目で併願をあきらめた。という話は少なくありませんし、他の併願先の勉強に多少影響は出るけど、第一志望まっしぐらで勉強した!という猛者ももちろんいます。
今この記事を読んでいただいている方は、まだ時間に余裕のある方が少なくないと思います。そんなときに、一呼吸おいて、志望先について考えてみてください。
今日はいくつか試験をピックアップし、受験科目などを紹介したいと思います。(主にH30年度試験を参考にしました。)
【教養試験】
科目 | 出題数 |
文章理解 | 11 |
判断推理 | 9 |
数的推理 | 4 |
資料解釈 | 3 |
時事 | 3 |
自然科学 物 理 化 学 生 物 | 1 1 1 |
人文科学 日本史 世界史 地 理 思 想 | 1 1 1 1 |
社会科学 政 治 経 済 | 2 1 |
合計 | 40 |
【専門試験】16科目のうち8科目を選択し、40題解答します。必須科目なし。
科目 | 出題数 |
政治学 | 5 |
行政学 | 5 |
憲法 | 5 |
行政法 | 5 |
民法(総則・物権) | 5 |
民法(債権・親族・相続) | 5 |
ミクロ経済学 | 5 |
マクロ経済学 | 5 |
財政学 | 5 |
経営学 | 5 |
国際関係 | 5 |
社会学 | 5 |
心理学 | 5 |
教育学 | 5 |
英語(基礎) | 5 |
英語(一般) | 5 |
【教養試験】
科目 | 出題数 |
文章理解 | 11 |
判断推理 | 8 |
数的推理 | 5 |
資料解釈 | 3 |
時事 | 3 |
自然科学 物 理 化 学 生 物 | 1 1 1 |
人文科学 日本史 世界史 地 理 思 想 | 1 1 1 1 |
社会科学 政 治 経 済 | 2 1 |
合計 | 40 |
【専門試験必須科目】
科目 | 出題数 |
民法・商法 | 8 |
会計学(簿記含む) | 8 |
小計 | 16 |
【専門試験選択科目】9科目のうち4科目選択し、24題解答
科目 | 出題数 |
憲法・行政法 | 6 |
経済学 | 6 |
財政学 | 6 |
経営学 | 6 |
政治学・社会学・社会事情 | 6 |
英語 | 6 |
商業英語 | 6 |
情報数学 | 6 |
情報工学 | 6 |
【教養試験】国税専門官試験と共通です。
【専門試験必須科目】
科目 | 出題数 |
民法・商法 | 8 |
会計学(簿記含む) | 8 |
小計 | 16 |
【専門試験選択科目】次の全ての問題から、28題を選択し、解答。
科目 | 出題数 |
憲法 | 4 |
行政法 | 4 |
民法 | 5 |
刑法 | 3 |
経済原論 | 10 |
財政学 | 1 |
経済事情 | 4 |
労働経済・社会保障 | 4 |
社会学 | 1 |
小計 | 36(28題解答) |
【教養試験】
科目 | 出題数 |
文章理解 | 9 |
判断推理 | 9 |
数的推理 | 6 |
資料解釈 | 1 |
自然科学 数 学 物 理 化 学 生 物 地 学 | 1 1 2 2 1 |
人文科学 日本史 世界史 地 理 | 2 2 2 |
社会科学 政 治 経 済 社 会 | 4 3 5 |
合計 | 50 |
【専門試験】選択なし。
科目 | 出題数 |
政治学 | 2 |
行政学 | 2 |
社会政策 | 3 |
国際関係 | 2 |
憲法 | 4 |
行政法 | 5 |
民法 | 4 |
刑法 | 2 |
労働法 | 2 |
経済原論 | 9 |
財政学 | 3 |
経営学 | 2 |
合計 | 40 |
上記の表を見ていただいて感じたことはありますか?
私ポン太としては、教養試験はどの試験も大きくは変わらないが、専門試験は各試験に独特の科目や方式があるというところに着目してほしいです。
教養試験は重要な科目がある程度被ってくるため、「とりあえず判断推理から」といった勉強の入りでも大きな問題が生じることはないでしょう。
捨て科目もあるので、「世界史から」「物理から」といった入りは問題ですが・・・苦笑
他方、専門試験では、必須科目と選択科目が用意されている試験も多く、何を見据えて勉強に入るかが重要になってきます。
例えば、国家一般職では採用されていない会計学や労働法が、国税や労基では必須科目となっているなど、目指す職種によって勉強法を変えなければならないだろうということが想定できると思います。
国税や労基は仕事の種類が国家一般や地方上級に比べ、はっきりしているため、そこに特化した試験内容となっていますね。
例えば、国税が第一希望であれば、会計学を避けて通るのはリスクが高いでしょうし、労基での労働法も然りです。
反対に、国家一般が第一希望であれば、国家一般の科目を勉強し、会計学や労働法の部分は、他の科目の点数で補うなどの戦略も考えられます。
これらを踏まえ一つ言えるのは、「どこを志望する(したい)か」はある程度勉強を始めた早期の段階で決めておいた方がよいということでしょう。
意外かもしれませんが、専門試験も「とりあえず試験勉強に入ってしまう」という方は少なくありません。
確かに民法や、経済原論は多くの試験で採用されています。
しかし、合格を見据えた科目の取捨選択は非常に重要になってきます。
スケジュールなどと相談し、併願先で被る科目、自分がある程度学習している科目等を総合勘案し、必要性の高い科目を重点的にやっていくことが重要だと思います。
そのため、何も考えずに試験勉強に入るのではなく、どこを受けようかということを少しでも考えて試験勉強に臨みたいですね。
どこを志望したいかはそんなにすぐに決められませんし、ぼんやりだったり、何通りかのパターンでも構いませんが、 少しでも考えてから試験勉強に臨むのと、何も考えていないでは大きな差が出てきます。
恐らく、公務員に就職する、ということを考えたとき、(第一志望の省庁(試験)のみを受けるという方はよっぽど少数だと思いますが、)志望先を一つに絞ってしまうことは、メリットよりデメリットが大きいでしょう。
志望先について新たな情報等が手に入り、志望の意志がなくなる可能性だってありますし、そんなときに、第1志望合格に向け会計学や労働法にかなり力を入れていた結果、志望を変えたくても変えれない状況もあるかもしれません。
そんな場合でも、試験勉強に入る前に、どこを志望しようか。と一呼吸おいて頭の片隅に置いておけば、試験勉強しながら志望先について考えることも出てくるでしょうし、後の祭り、ということも避けられる可能性が高くなると思います。
仕事内容を優先するのか、自分の専攻していた科目を活かせる試験を選ぶのか、戦略は人それぞれですが、無駄な勉強はしたくないですよね。
長々と書いてしまいましたが、そのような失敗をして欲しくないため、一度立ち止まって、志望先について考えてみてください。